全国高専大会について

第1回女子団体戦(オープン戦)開催記念随想

「女子団体戦(オープン種目)開催への経緯と願い」

   阿南高専テニス部顧問
   第45回大会開催校担当
   原野 智哉

 かれこれ10年以上前になるが千葉県白子で全国高専大会が開催され,本校阿南高専テニス部女子2名を連れて参加していた。女子は四国地区でも人数が少ないため,四国地区の代表になることはそれほど難しいことではなかった。そのとき、全国高専大会で男子のみ団体があることをみて羨ましいと思ったのか、「なぜ、女子は団体がないんですか?」と聞かれた。確かに、その通りである。男子には団体戦があり、女子には団体戦がないというのはさすがに疑問に思い、いろいろ調べてみると各校は女子部員が少ないため、女子団体戦が実施できない地区もあることがすぐに分かった。しかし、団体戦や個人戦で入賞の経験やテニスへの知識も乏しかった10年前は大会で発言ができるわけでもなく、またそれをどうやって実施できるようにするかという方法もわからなかった。

 さきほどの女子部員の話に戻るが、彼女が高専1~2年生で出場していたころは先輩女子部員1名と女子個人戦ダブルスベスト8を狙うのが精一杯であった。本校テニス部は男女ともに10年前まで弱小であり、強いとは言い難かった。しかし、この一人の熱心な女子部員がわれわれ教員のテニス指導への情熱を掻き立てる原動力になった。彼女は説得する能力に長けており、女子部員の勧誘もうまかった。彼女が2年生になると、部員は1,2年合わせて8名ほどになり、団体戦に出場することも可能になった。出身テニスクラブからインターハイ出場を狙える1年生女子1名が入学したこともあり,熱心に練習に取り組んだ。2年生では惜しくも県高校総体で女子団体ではベスト4に入れず涙をのんだが、3年生では朝練の効果もあり、テニス部で初めて県高校総体で女子団体3位に入賞することができた。団体戦は監督がベンチに入り、コーチングにより勝敗が変わることもあって、その責任で緊張する。その一方で選手のコートでの息遣いやプレーを間近で見ることができ、一体感を味わうことができる。とくに、初めて高校総体女子団体ベスト4に入ったときには部員が歓喜の涙を流し、その感動は顧問冥利に尽きた。顧問としてそれを継続してみたくなった。個人戦も選手にとっては個人課題の克服や成長を促すが、団体戦はチームワーキングでありチームでの課題解決であるため、団体戦でしか培えない自他共存ともいえる成長が顕著である。この感動を男子にも味あわせたいと思い、練習試合など男女合同で夢中でやっているうちに気が付けば10年が経過していた。この10年で、県高校総体男女でベスト4に入ることが何度かできている。そのおかげで、優秀で熱心な選手にも恵まれ全国高専大会において男子団体2連覇、女子個人戦で単複制覇など成果を上げることができた。

 顧問としては、上述のような部活を通じた貴重な経験をさせていただき、感謝と満足もありましたが、ずっとその女子部員(OG)の言葉「なぜ、女子だけ団体がないんですか?」という宿題が気にかかっていました。テニス部顧問として10年間、監督・高校大会のロービング・C級審判員の勉強など多数の経験を積んだことで、女子団体戦は令和4年度本校主催の立場であれば実施できるのではないかと思い、全国高専大会テニス競技専門部の先生方へ女子団体(オープン種目)の要項を作成し4月に提案させていただき、先生方の温かい支持のおかげで8月に大会史上初で開催することができました。コートに複数名の女子が並び選手紹介をしている顧問の姿を見て、本当によかったと思いました。大会後アンケート結果からも肯定的意見が96%を占め、もっと早く実施できたならよかったとも思いました。当時の女子部員OGも大会を見に来て、四国地区の団体優勝と女子部員が継続して活躍している姿に大変喜んでいました。今後、これを契機に各地区での女子部員が増え、キャンパス対抗の団体戦が実施され、全国高専大会において女子団体が正式種目になればと期待しています。

 

全国高等専門学校体育大会50回記念随想

「全国高専テニス選手権大会の思い出」

元全国高専テニス専門部委員長
留岡 正(元富山商船準教授)
*富山県・北信越テニス協会理事長、日本テニス協会評議員・理事を長年歴任、高専テニスのPRに貢献された。

 私が富山商船高専に赴任(1969)し,テニス部を創設した当時,全国高専体育協会(専体協)主催の全国大会に「テニス競技」はなかった。全国高専の顧問の先生方の署名を添えて専体協に働きかけたが、いつまで待っても反応がなく、自分で全国大会を立ち上げないと誰もやってくれないと悟り,一人奔走した。さながらドンキホーテの如しであった。

まず、最も権威のある(財)日本テニス協会(JTA)の主催をもらうべく、当時JTA副会長の太田芳朗さんに訴え,全国高専テニスマン達の代表としての私の熱き情熱に彼は心を動かしてくれた。学校テニスをJTA主催とする前例はなかったが,特例ということで主催名をつけてくれた。但し、財政的にもその他においてもあらゆる援助はできないという条件であった。

第1回大会を富山開催とし,ブロック予選を全地区で実施してもらった。1円もない大会資金を集めるのには苦労した。富山県テニス協会が物心両面で全面的に協力してくれた。

いろいろな困難を乗り越え,記念すべき第1回大会は富山大学のクレーコートで開催された。北海道から九州までの高専がプラカードの下に整列した姿を見たとき,今までの苦労が走馬灯のように思い出されて,涙が溢れでた。選手の旅費はほとんど自己負担であった。そんなことを問題ともせず,全国大会が生まれたことを皆で喜びあった。私の苦労が報われた瞬間であった。全国の高専テニスマンに支えられた手作りの大会は,この火を消すまいと次々と各地の高専が苦労覚悟で引き受けてくれた。この大会は「フェアプレー」をベースとし、勝敗のみでなく、選手、顧問の先生方の「ゆかいな交流」の場ともなり、今に引き継がれている。そして、その後は専体協とJTA共催の大会として発展してきた。

大会の記録を振り返ると、第1回大会を富山商船が団体・個人シングルス・ダブルスと三冠を達成し、それ以降団体は3連覇2回(第1~3回、第27~29回)を含め12回優勝、三冠6回達成と高専テニスをリードしてきた。また、富山商船選手が富山県代表として鹿児島国体(1972)や青森国体(1979)に出場したり、JAL CUP国際ジュニア選手権大会(1986)や全日本ジュニア選手権の出場などにより高専PRにも大いに貢献してきたのである。

平成4年からは女子個人戦も開催(7年より正式種目)されるに至ったが、最後に、本大会に「団体女子」の種目を入れて、高専女子選手に夢を与えていただきたいと願うばかりである。


獅子奮迅像(優勝杯)について

(元全国高専テニス部委員長 留岡記)

第1回大会が富山の地で産声を上げたのを記念して、第4回の国体リハーサル大会に花を添え るべく、永久保存の持回り品として、より立派なものをということで、元富山県テニス協会会長 稲浪秀晴氏のお力添えにより、富山県を代表する高岡銅器産業、その中でも世界的な高級美術品 製作会社として名高い、黒谷美術株式会社の黒谷他津雄社長の特別な御厚意により、獅子奮迅像 を御寄贈いただき、全国の高専選手、役員一同深く感激いたしました。なお、本像は日本芸術院会員、今は亡き北村西望氏の作による、きわめて格調高い、高価なも のであります。また、黒谷株式会社はあの有名な長崎の原爆記念像等、日本の代表的な記念像のほとんどを製 作され、日本国内のみならず海外でも高く評価され、日本美術工芸品のすばらしさを認識させる 大きな役割を果たしてこられました。このようなすばらしい像(優勝杯)を争って、それにふさわしい獅子奮迅の熱戦を展開され、 本大会が益々発展していくことを祈り、ここに獅子奮迅像の紹介といたします。

優勝旗優勝メダル優勝杯


 

全国高等専門学校体育大会50回記念誌

高専体育大会の記念誌が発行されました。テニス競技専門部にも配分がありましたので,ご希望の方はご連絡ください。

 

年度 主管校 地区 主担当教官(員) 事項
昭和52     坂本 東日本大会開催
1 53 富山商船 東海北陸 留岡 選手とも自費参加
2 54 北九州 九州 中野  
3 55 鈴鹿 東海北陸 浜辺  
4 56 松江 中国 宇野 国体リハーサル大会を兼ねる
優勝旗・獅子奮迅像寄贈される
5 57 小山 関東信越 佐藤  
6 58 大阪府立 近畿 河田 資金集めの負担軽減,各高専分担金制定
7 59 高知 四国 今井  
8 60 旭川 北海道 中島・青村校長 北海道地区高専体育協議会との共催
9 61 都城 九州 宮崎 ここまで昭和ゴム・日本楽器製造が協賛
10 62 宮城 東北 加瀬 この年よりダンロップスポーツが協賛
11 63 石川 東海北陸 中村 日本テニス協会より富山商船が優秀団体賞,留岡が優秀指導者賞を受賞
12 平成1 東京 関東信越 専体協との共催となる
全国大会シード基準制定
13 2 豊田 東海北陸 赤木  
14 3 久留米 九州 中島  
15 4 茨城 関東信越 渡辺 女子個人戦をオープンで実施
16 5 米子 中国 長井  
17 6 八戸 東北 松橋  
18 7 奈良 近畿 阪部・大植 女子種目が追加される
19 8 熊本電波 九州 小松  
20 9 富山商船 東海北陸 中谷・古川・留岡 20回記念大会
年度 主管校 地区 主担当教官(員) 事項
21 10 小山 関東信越 北城 福井高専坂井正之が専体協表彰
22 11 弓削商船 四国 浜中  
23 12 函館 北海道  
24 13 広島商船 中国 藤富  
25 14 仙台電波 東北 福地 長野高専坂田裕介が専体協表彰
26 15 佐世保 九州 藤村  
27 16 沼津 東海北陸 若松・竹口  
28 17 長野 関東信越 宮尾  
29 18 舞鶴 近畿 舩木 富山商船が優秀団体賞(日本テニス協会)受賞,専体協表彰を受ける
30 19 高松 四国 徳永  
31 20 旭川 北海道 石井 富山商船が優秀団体賞(日本テニス協会)受賞
32 21 有明 九州沖縄 川瀬・田中  
33 22 石川 東海北陸 河合・北田  
34 23 東京 関東信越 黒田 福井高専が優秀団体賞(日本テニス協会)受賞
35 24 松江 中国 門脇 寺本嵩史(徳山),黒木沙織(都城),山本唯・山川若菜(鈴鹿)が専体協表彰
36 25 福島 東北 篠木・菊地  
37 26

香川
(詫間)

四国 鰆目  
38 27 熊本
(八代)
九州沖縄 上土井 専体協50回記念大会,団体戦は出場枠を16校に拡大して開催
39 28 岐阜 東海北陸 岐阜高専テニス部が「テニスの日特別賞」受賞
40 29 木更津 関東信越 嶋野 遠藤悠馬(茨城)が男子シングルス三連覇
41 30 大分 九州沖縄 東木  
年度 主管校 地区 主担当教官(員) 事項
42 令和1 宇部 中国 小泉  
43 2 大阪府立大 近畿 中田

新型コロナ感染症の拡大により大会中止
女子地区対抗団体戦エキビジョンマッチ企画

44 3 仙台 東北 武田  
45 4 阿南 四国 原野

地区代表チームによる女子団体戦をオープン種目として実施
鈴鹿高専 馬淵・田中ペアが男子ダブルス三連覇

46 5 東京 関東信越 黒田